最近の論文発表(原著)

哺乳類Atg14とVps38の発見(板倉 et al., Mol Biol Cell)

2008年12月19日 最近の論文発表(原著)

Itakura, E., Kishi, C., Inoue, K., Mizushima, N.
Beclin 1 Forms Two Distinct Phosphatidylinositol 3-Kinase Complexes with Mammalian Atg14 and UVRAG.
Mol Biol Cell, 2008 Dec;19(12):5360-72 DOI: 10.1091/mbc.E08-01-0080

私たちはさらに、ULK1複合体の下流で機能していると考えられる出芽酵母には2種類のクラスIII PI3キナーゼ(PI3K)があることが知られています。これらはAtg14を含むComplex 1と、Vps38を含むComplex 2で、それぞれオートファジーと液胞酵素の輸送に重要です。その他の3つサブユニット(Vps34、Vps15、Vps30/Atg6)は両者に共通で す。これらの共通サブユニットの哺乳類ホモログは、それぞれhVps34、p150、Beclin 1としてすでに知られていましたが、特異的サブユニットは長い間不明でした。この論文では私たちはAtg14とVps38のヒトホモログを同定することに 成功し、酵母と同様に両者は異なる複合体を形成していることを確認しました。さらにAtg14は隔離膜(初期オートファゴソーム膜)に局在し、オートファ ゴソーム形成に必須であることが判明しました。一方、ヒトVps38ホモログはこれまでUVRAGとして知られていたタンパク質と同一であり、こちらは オートファゴソームではなく後期エンドソームに局在していることから、おそらくエンドサイトーシス経路で機能していると推測されます。


酵母と哺乳類での二種類のPI3Kの模式図

お知らせ一覧にもどる

ページトップへ戻る

Mizushima Lab