最近の論文発表(原著)
可逆的オートファジーノックアウト細胞の作製(細川 et al., FEBS Lett)
2006年05月15日 最近の論文発表(原著)
Hosokawa, N., Hara, Y., Mizushima, N.
Generation of cell lines with tetracycline-regulated autophagy and a role for autophagy in controlling cell size.
FEBS Lett, 2006 May 15;580(11):2623-9 DOI: 10.1016/j.febslet.2006.04.008
オートファジーを研究するには、オートファジーの機能を阻害する実験が不可欠です。理想的な阻害剤がない現在、遺伝子ノックアウトやRNAiに頼ることに なりますが、それでも迅速、完全、可逆的な機能阻害は困難です。またノックアウト細胞と野生型細胞との比較にはクローン間のばらつきなどの深刻な問題も発 生します。そこで私たちはオートファジー能を自由にON、OFFできる細胞を構築しました。これを用いると10時間以内に欠損型から正常型に細胞の性質を 変えることが可能となります。この細胞を利用して、飢餓時の細胞縮小に実際にオートファジーが貢献していることを観察しました。
Atg5ノックアウト細胞にテトラサイクリン誘導系を導入し、Atg5 cDNAが再発現するように改変しました。この細胞はテトラサイクリン存在下ではノックアウト細胞として、テトラサイクリンを除去すると野生型として振る舞います。