最近の論文発表

神経変性疾患SENDAの原因遺伝子の解明(西村 et al., Nat Genet)

2013年02月24日 最近の論文発表

Hirotomo Saitsu, Taki Nishimura, Kazuhiro Muramatsu, Hirofumi Kodera, Satoko Kumada, Kenji Sugai, Emi Kasai-Yoshida, Noriko Sawaura, Hiroya Nishida, Ai Hoshino, Fukiko Ryujin, Seiichiro Yoshioka, Kiyomi Nishiyama, Yukiko Kondo, Yoshinori Tsurusaki, Mitsuko Nakashima, Noriko Miyake, Hirokazu Arakawa, Mitsuhiro Kato, Noboru Mizushima, Naomichi Matsumoto
De novo mutations in the autophagy gene WDR45 cause static encephalopathy of childhood with neurodegeneration in adulthood
Nat Genet, 2013 Apr;45(4):445-9, 449e1 DOI: 10.1038/ng.2562

オートファジーは、細胞内の大規模な分解機構であり、不要なタンパク質などを分解することで細胞内恒常性を維持しています。特に、神経細胞においては、オートファジーが細胞内に異常タンパク質が蓄積するのを防ぎ、神経変性を抑制していると考えられています。今回、私たちを含む共同研究グループは、神経変性疾患SENDAの原因遺伝子としてWDR45 (WDR45遺伝子は、オートファジーに必須の分子である酵母Atg18のヒト相同遺伝子WIPI4タンパク質をコードする) を同定しました。SENDA(static encephalopathy of childhood with neurodegeneration in adulthood)は、脳内に鉄沈着を伴う神経変性症の一つであり、小児期早期からの非進行性の知的障害と、成人期に急速に進行する錐体外路症状(ジストニアやパーキンソン様症状)、認知症を呈する疾患です(図1)。SENDAは、オートファジー遺伝子の変異によって明らかなオートファジー機能低下を示す初めてのヒト疾患となり、オートファジーの異常と神経変性疾患の関連性を強く裏付けるものと考えられます。

この研究は、横浜市立大学学術院医学群・才津浩智准教授、松本直通教授(遺伝学教室)、群馬大学大学院医学系研究科・村松一洋助教(小児科学)を中心とする小児神経専門医グループらとの共同研究による成果です。


図1. SENDA患者のMRI画像。(a-e)T1強調MRI画像では、線状の低信号領域を伴う黒質の高信号 (矢頭) が認められる。(f-h) T2強調MRI画像では、淡蒼球に低信号 (矢印) を認め、鉄沈着が示唆される。(これらはSENDA患者に特徴的な症状。)(Saitsu et al. Nature Genetics, online publicationより)

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