最近の論文発表

オートファジーは加齢性白内障の抑制に必須である(森下 et al., J Biol Chem)

2013年04月19日 最近の論文発表

Hideaki Morishita, Satoshi Eguchi, Hirotaka Kimura, Junko Sasaki, Yuriko Sakamaki, Michael L. Robinson, Takehiko Sasaki, Noboru Mizushima
Deletion of autophagy-related 5 (Atg5) and Pik3c3 genes in the lens causes cataract independent of programmed organelle degradation
J Biol Chem, 2013 Apr 19;288(16):11436-47 DOI: 10.1074/jbc.M112.437103

オートファジーは恒常的に細胞質成分を入れ替えることで細胞内品質管理に貢献しています。神経細胞や心筋細胞と同様に細胞分裂しない水晶体細胞では、透明性を維持するために特に細胞内品質管理が重要と考えられますが、これまでオートファジーの役割は不明でした。今回、水晶体細胞(分化途中)でオートファジーが恒常的に活性化していること(図1)、水晶体でオートファジー(Atg5)を欠損させると生後6カ月頃より加齢性白内障を発症することを見出しました(図2)。加齢性白内障を発症したオートファジー欠損水晶体では、細胞変性、酸化ストレス亢進、クリスタリン不溶化など、ヒト加齢性白内障でも頻繁に出現する表現型を認めました。したがって、オートファジーは分化途中の水晶体細胞内を常に浄化することで加齢性白内障を抑制していると考えられます。

水晶体細胞の最終分化過程では全てのオルガネラが分解されますが、Atg5欠損マウスや水晶体特異的Pik3c3/Vps34欠損マウス(Pik3c3はAtg5より上流のオートファジー必須因子)でもオルガネラ分解は正常であったため、水晶体のオルガネラ分解はオートファジー非依存的であることが分かりました。なおPik3c3欠損マウスは先天性白内障と小眼症(生後の発生障害)を発症しましたが、これはPik3c3のエンドサイトーシス経路における役割の破綻が原因として考えられました。


図1 水晶体線維細胞(分化途中)では恒常的にオートファジーを認める


図2 水晶体特異的Atg5欠損マウスは加齢性白内障を発症する

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