最近の論文発表

ATG12結合システムの退縮進化:共有結合しないATG12-ATG5複合体(山本 et al., Nat Struct Mol Biol)

2019年03月25日 最近の論文発表

Yu Pang, Hayashi Yamamoto, Hirokazu Sakamoto, Masahide Oku, Joe Kimanthi Mutungi, Mayurbhai Himatbhai Sahani, Yoshitaka Kurikawa, Kiyoshi Kita, Nobuo N. Noda, Yasuyoshi Sakai, Honglin Jia, and Noboru Mizushima
Evolution from covalent conjugation to non-covalent interaction in the ubiquitin-like ATG12 system
Nat Struct Mol Bioll, 2019, March 25 DOI: 10.1038/s41594-019-0204-3

オートファゴソームの形成には、ユビキチン様タンパク質ATG12がATG5と共有結合することが必要です。このATG12結合システムは1998年に発見されましたが(Mizushima et al. 1998)、
なぜ両タンパク質が共有結合する必要があるかは20年間にわたって不明でした。
今回、予期せぬことに、両者の共有結合は必ずしも必要ないことが一部の生物で明らかになりました。
アピコンプレックス門原虫や コマガタエラ酵母Komagataella phaffii(旧Pichia pastoris)は、共有結合に必要なE2酵素ATG10やATG12のC末グリシンを持たず、ATG12とATG5は安定した非共有結合性複合体として存在していることを発見しました。
この非共有結合性ATG12-ATG5複合体は、他の生物のATG12-ATG5共有結合体と同様にATG8とホスファチジルエタノールアミンの結合を促進することができます。
すなわち、ATG12とATG5は十分強い結合インターフェースをもつことができれば、必ずしも共有結合を介する必要はなく、一部の生物のATG12システムはより単純な非共有結合性複合体へと退縮進化したと考えられます。
ATG12-ATG5の機能の秘密は、共有結合を作るという性質の中にはなかったことになります。一方、多数のタンパク質と結合するユビキチンは、それらに共通する結合インターフェースを作ることは不可能であり、
共有結合を維持する必要があると考えられます。

本研究は、中国農業科学院ハルビン獣医研究所のHonglin Jia准教授、京都大学大学院農学研究科の阪井康能教授、
微生物化学研究会の野田展生部長、長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科の北潔教授らのグループと共同研究です。

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Mizushima Lab