最近の論文発表(原著)

多種標識粒子測定法によるオルガネラランドスケープ解析(栗川, 本田 et al., PLoS Biol.)

2024年09月17日 最近の論文発表(原著)

Yoshitaka Kurikawa‡, Ikuko Koyama-Honda‡,*, Norito Tamura, Seiichi Koike, Noboru Mizushima* (‡共同第一著者、*共同責任著者) 

Organelle landscape analysis using a multi-parametric particle-based method

PLoS Biol. 2024 Sep 17;22(9):e3002777. doi: 10.1371/journal.pbio.3002777

 

細胞内オルガネラの複雑な相互作用と分布を高分解能で同時に観察・解析することは、細胞生物学における重要な課題です。しかし、これまでの主な実験解析手法では、分解能とパラメーター数が十分ではありませんでした。

私たちは、この課題に対処するため、多色で染色したオルガネラ粒子を用いた「オルガネラランドスケープ解析法」を開発しました。本手法は、細胞破砕後の個別オルガネラ粒子を解析対象とし、空間分解能を向上させています。また、最大8種類の蛍光標識オルガネラマーカーを同時に解析し、UMAP(Uniform Manifold Approximation and Projection)による多次元データの2次元投影を行い、クラスタリングでオルガネラサブタイプや状態遷移を識別することが可能です。この手法を用いて、我々は7種の主要オルガネラの同時解析・可視化に成功しました。さらに小胞体-ミトコンドリア接触部位の検出や、EGFとトランスフェリンの異なるエンドサイトーシス経路を反映したクラスター遷移の可視化にも成功しました。

本手法の応用により、未知のオルガネラサブタイプの同定、さまざまな条件下でのオルガネラ動態の包括的評価、疾患モデルにおけるオルガネラ異常の多面的解析が可能となります。

詳細については、[プレスリリース全文]( https://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/PR/2024/release_20240918.pdf)をご参照ください。

 

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