最近の論文発表(原著)

哺乳類オートファゴソーム形成部位への選択的基質の集積(板倉 et al., J Cell Biol)

2011年01月10日 最近の論文発表(原著)

Itakura E, Mizushima N.
p62 targeting to the autophagosome formation site requires self-oligomerization but not LC3 binding.
J Cell Biol, 2011 Jan 10;192(1):17-27 DOI: 10.1083/jcb.201009067

オートファジーによるタンパク質分解は主に非選択的ですが、最近の研究から一部選択的であることもわかっています。代表的な選択的基質であるp62はLC3と結合することでオートファゴソーム内に取り込まれると考えられています。今回私達はp62の一部がLC3非依存的に小胞体上(または近傍の)オートファゴソーム形成部位に局在することを発見しました(①)。この局在化にはp62の自己多量体形成が必要です。そこから隔離膜形成が開始され、LC3依存的にp62がオートファゴソーム内に取り込まれ、隔離膜形成中にさらなるp62も取り込まれると考えられます(②)。その後、完成したオートファゴソームはリソソームと融合し、p62が分解さます(③)。
オートファゴソーム形成部位へのp62の集積は、特異的基質の分解メカニズムとともに、オートファゴソームがどこで形成されるかという問題を考える上でも興味深い現象であると思われます。


哺乳類オートファゴソーム形成部位への選択的基質の集積

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