最近の論文発表(原著)
Optogenetic tools for inducing organelle membrane rupture (長島 et al. J Biol Chem.)
2025年03月18日 最近の論文発表(原著)
Yuto Nagashima, Tomoya Eguchi*, Ikuko Koyama-Honda, Noboru Mizushima*
(*共同責任著者)
Optogenetic tools for inducing organelle membrane rupture
J Biol Chem. 2025 Mar 18;301(4):108421. doi: 10.1016/j.jbc.2025.108421.
オルガネラの膜損傷は細胞死や炎症などの生体応答を引き起こすことが知られていますが、これまで膜損傷を起こす手法は限られていました。そこで、私たちはオルガネラの膜損傷を時空間的に誘導する新たなツールを開発しました。
本ツールでは、アポトーシスの際にミトコンドリア膜に孔を開けるBAXと、青色光依存的に下流に連結させたタンパク質の機能を制御するLOV2を利用しました。培養細胞において、LOV2-BAXをミトコンドリア、リソソーム、小胞体に局在させて青色光を照射すると、それぞれのオルガネラの膜損傷を誘導することができました。このツールはさまざまなオルガネラの膜損傷を任意のタイミングで、かつ青色光を照射した範囲でのみ誘導できるため、今後の膜損傷の研究に広く利用されることが期待されます。
本論文はJBCのEditors’ Pickに選ばれました。