最近の論文発表(原著)

pH感受性Rim101経路が酵母細胞の大きさを制御する(島澤 et al., J Biol Chem .)

2023年03月03日 最近の論文発表(原著)

Masaru Shimasawa, Jun-Ichi Sakamaki, Maeda Tatsuya & Noboru Mizushima

The pH-sensing Rim101 pathway regulates cell size in budding yeast

J Biol Chem. 2023 Feb 2;102973. doi: 10.1016/j.jbc.2023.102973.

 

我々は細胞の大きさの制御因子を探索するべく、フローサイトメトリーを用いて、出芽酵母の非必須遺伝子破壊株ライブラリーの各変異体の大きさを調べました。その結果、細胞外のアルカリストレス応答にするRim101経路の一因子であるRim21が細胞の大きさを正に制御することがわかりました。そこで、Rim101経路自体が細胞の大きさを制御していると予想を立て、他のRim101経路の因子についても調べたところ、Rim101経路因子欠損株は、一貫して野生型細胞よりも小さいことがわかりました。また、活性型Rim101を発現させると、野生型細胞が大きくなることがわかりました。これらのことよりRim101経路が細胞の大きさを正に制御することが示唆されました。

Rim101経路は細胞外のアルカリストレスに応答して活性化されます。そこで、培地のpHを変えて細胞の大きさを計測したところ、アルカリ条件では細胞が大きくなることを見出しました。顕微鏡観察により、この変化は、液胞と細胞質両方の体積の増加によるものであることがわかりました。

アルカリストレスに応答した細胞の増大はRim21やRim101を欠損した細胞ではほとんど起きませんでした。さらに、Rim101によって転写誘導されるVph1(V-ATPaseの構成要素)を欠損した細胞でも、アルカリストレスに対する細胞の増大は見られませんでした。

以上のことから、出芽酵母の細胞の大きさは、Rim101-V-ATPaseのシグナリングによって制御されていると考えられました。

本研究は浜松医科大学医学部生物学講座の前田達哉博士と共同で行いました。

 

 

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