最近の論文発表(原著)

Atg13は胎児期の心臓の発達に重要(貝塚 et al., Mol Cell Biol)

2015年12月07日 最近の論文発表(原著)

Kaizuka T, Mizushima N.
Atg13 is essential for autophagy and cardiac development in mice
Mol Cell Biol., 2015 Dec 7;36(4):585-95

ATG13は、ULK、FIP200、ATG101とともに複合体を形成して、オートファゴソーム形成の初期過程で機能する因子です。本研究ではAtg13ノックアウトマウスが胎生致死となることを明らかにしました。胎児では心室の壁が顕著に薄くなっており、心筋の発達に異常を来していると考えられました(図1)。他の臓器・組織には顕著な異常は認められなかったことから、Atg13ノックアウトマウス胎児は心不全によって死亡すると考えられます。Atg13と共同して機能するFIP200のノックアウトマウスも胎児期に死亡することが報告されています。多くのAtg遺伝子ノックアウトマウスが出生直後に死亡することを考えると、Atg13-FIP200はオートファジー以外の機能を持っており、この「非オートファジー機能」が心臓の発生に寄与しているのではないかと考えられます。

本研究論文はMolecular and Cellular Biology誌においてArticle of Significant Interest Selected from This Issue by the Editorsに採択されました。


図1. Atg13は胎児期の心臓の発達に重要

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