最近の論文発表(原著)

哺乳類ATGタンパク質群のオートファゴソーム形成部位局在化の時間的関係(本田 et al., Autophagy)

2013年10月09日 最近の論文発表(原著)

Ikuko Koyama-Honda, Eisuke Itakura, Takahiro K. Fujiwara and Noboru Mizushima
Expression of the autophagy substrate SQSTM1/p62 is restored during prolonged starvation depending on transcriptional upregulation and autophagy-derived amino acids
Autophagy, 2013 Oct;9(10):1491-9 DOI: 10.4161/auto.27344

本研究では、ATG分子群がオートファゴソーム形成部位へリクルートされる時間的相互関係をライブセルイメージングで解析しました。その結果、

1. 膜タンパク質VMP1のドット上に、ULK1ドットが新規に形成される (図1A)
2. 遺伝学的階層ではULK1より下層にあるATG5が、ULK1とほぼ同調して蓄積する (図1B)
3. ATG5に続いて、PI3キナーゼ複合体ATG14とPI3P結合タンパク質WIPI1、ZFYVE1(DFCP1, 図1C)が蓄積し、その後、LC3とSQSTM1(p62)がほぼ同調して蓄積する

ことが分かりました。この論文における新発見のポイントは、(1)ATGタンパク質群のオートファゴソーム形成部位への局在化時間関係は必ずしも遺伝学的階層関係とは一致しないこと (図2)、(2)オートファゴソーム形成部位がVMP1陽性小胞体ドメインに近接している可能性が示されたことです。


図1 ライブセルイメージングによる、ATGタンパク質のオートファゴソーム形成部位への蓄積過程(マウス線維芽細胞)と時間解析


図2 ATGタンパク質群のオートファゴソーム形成に関する遺伝学的階層関係(左)と時間的関係(右)

お知らせ一覧にもどる

ページトップへ戻る

Mizushima Lab